化粧品と医薬部外品

「口腔化粧品」とはみがき剤に表記、これは?
調べてみると、口腔を清潔に保ち保護する商品のようです。

化粧品・・・人体を清潔に保ち保護するという衛生的な目的と、見た目を変えるという美容的な目的を持っています。
医薬部外品・・・穏やかながら人体に何らかの薬理作用を与えるという目的があります。そのため医薬部外品には、薬効を目的とした成分が配合されています。

<東京都健康安全研究センターより転載>

特集
化粧品を安全に使うために

 

1.
化粧品と医薬部外品

 

(1)化粧品と医薬部外品の違い
 

図1 化粧品と医薬部外品

 

私たちは普段、自分が使っている製品が化粧品であるか医薬部外品であるかを特に意識していません。化粧品と医薬部外品は形や使用方法は似ていますが、医薬部外品には医薬部外品であることが表示されています(図1)。
化粧品は人体を清潔に保ち保護するという衛生的な目的と、見た目を変えるという美容的な目的を持っています。それに対し、医薬部外品は穏やかながら人体に何らかの薬理作用を与えるという目的があります。そのため医薬部外品には、薬効を目的とした成分が配合されています。
化粧品と人体に直接使用する医薬部外品の比較を表1にまとめました。

 

表1 化粧品と医薬部外品の比較
 適応部位分類主な製品
化粧品皮膚基礎化粧品
メークアップ化粧品
ボディ化粧品
洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、 ファンデーション、口紅、ネイルエナメル、香水、 石けん、ボディシャンプー、日焼け防止化粧品
頭髪・頭皮頭髪用化粧品
頭皮用化粧品
シャンプー、リンス、ヘアスプレー、ヘアマニキュア、 養毛料、ヘアトニック
口腔口腔歯みがき
人体に直接使用する医薬部外品皮膚薬用化粧品
腋臭防止剤
てんか粉類 除毛剤
浴用剤
薬用石けん、ニキビ予防クリーム、美白化粧水、 デオドランドスプレー、腋臭防止剤、 ベビーパウダー、 除毛クリーム 入浴剤
頭髪・頭皮薬用化粧品
染毛剤
パーマネントウェーブ用剤
育毛剤
薬用シャンプー、薬用リンス、 ヘアカラー、ヘアブリーチ、 パーマネントウェーブ用剤(一剤、二剤)、 育毛剤
口腔口中清涼剤
薬用歯みがき
スプレー・カプセル・フィルムタイプ口中清涼剤、 薬用歯みがき、マウスウォッシュ

 

表1に示すように、化粧品にはメークアップ化粧品や基礎化粧品などの他に、整髪料、シャンプー、歯みがきなどが含まれます。
医薬部外品には表1にあげた以外に殺虫・殺鼠(さっそ)剤やソフトコンタクトレンズ用消毒剤等の人体に直接使用しないものもあります。

 

(2)法的な規制
化粧品と医薬部外品を規制する法律は薬事法です。これに基づき守らなければならないいくつかの規制があります(表2)。

 

表2 化粧品と医薬部外品の法的規制
化粧品成分配合禁止成分(32成分+ 医薬品成分)(例:水銀、カドミウム、ホルモン類、ホルマリン)
配合制限成分(17成分)(例:サリチル酸 0.20%以下)
配合許可成分 防腐・殺菌剤(43種)、紫外線吸収剤(28種)、タール色素(83種)
表示全成分表示
医薬部外品成分製品ごとに承認
成分により配合上限値あり(例:ヘアカラー中の染毛成分)
表示表示指定成分のみ表示義務有り(140成分)(例:パラベン、安息香酸、エデト酸等)

 

平成15年6月30日改正
i. 化粧品
<使用する成分>
化粧品の安全性は、薬事法の「化粧品基準」により確保されています。この基準には配合禁止成分(化粧品に使用してはならない成分)、配合制限成分(化粧品の使用方法に応じて使用できる上限値が定められた成分)及び配合許可成分が定められています。
定めがない成分については、事業者が安全性を確認したうえで、使用の可否や量を決めています。
<表示>
原則として使用した全ての成分を表示しなければなりません。
ii. 医薬部外品
<使用する成分>
医薬部外品の場合、使用の上限値が決められた成分もありますが、配合禁止成分は特に定められていません。医薬部外品を製造するときは、事前に使用する成分の種類及び量について厚生労働大臣又は都道府県知事の承認を受けます。
<表示>
アレルギーを起こす可能性があるものとして140成分が表示指定成分とされています。これらを使用したときは成分を表示しなければなりません。