味覚障害

味覚障害について

 味覚障害は、通常生命に大きく関与する症候群ではないことから、これまで比較的
 軽視されている。
 しかし、最近では、QOLという点から疾病が評価され、高齢者が増加してゆく社会
 において注目すべき疾患である。
 味覚障害の原因として、食事による亜鉛欠乏、服用薬剤の副作用、及び突発性のもの
 これらの3つで約半数以上が占められている。
 亜鉛は生体内組織において、酵素の構成成分、つまり金属酵素として存在する。
 生体の維持に欠かせない多くの酵素において、酵素蛋白質の特定部位と結合し
 活性の中心をなしている。
 また、亜鉛は下の味蕾を形成する成分のひとつで唾液にも含まれている。
 亜鉛欠乏により、唾液中の亜鉛含有の低下と味蕾の形態学的変化が原因となって
 味覚障害を引き起こすと言われている。

味覚障害の治療

 一般的に亜鉛が投与され、原因の不明例に対しても高い有効率が認められている。
 薬剤による味覚障害では、投薬の減量、中止で改善する例が多い。

日常的に亜鉛の多い食品を摂取することも回復を早める

 抹茶、緑茶(一番茶)、カキ、カズノコ(100g中50mg以上)、玄米茶、ココア、煮干し
 寒天、ノリ、きな粉、赤色味噌、アーモンド、いりゴマ、ソバ(100g中10mg以上)など
 の食品に亜鉛の含有量が多い。
 その他、ソルティアという亜鉛補助食品などもある。
 また、医薬品においては、我が国では味覚障害適応の製品が市販されていない為
 試薬である硫酸亜鉛などが投与されているが、消化器症状の副作用が多く、服用が
 しにくいことからコンプライアンスのよくないことが推測されている。
 味覚障害に対する保険適用はないが、亜鉛含有の消化性潰瘍剤であるポラプレジンク
 (プロマックR:1g中33.9mg亜鉛含有/ゼリア新薬工業)が有効であるという文献が
 多数報告されている。

参考文献:広島県病院薬剤師会学術年報 Vol.31

転載:http://www.tokuyamaishikai.com/yaku/di/di184.htm